アイデアとは

 アイデアは無尽 

アイデアは無尽です。汲めども汲めどもどんどん出てきて尽きることはありません。それは、1つのアイデアが親となって、次のアイデアをいくつも生み出すからです。アイデアとアイデアが結びついて、そこから多くのアイデアが生まれるからです。だからアイデアが尽きることはないのです。
アイデアが無限にある訳ではありません。初めからたくさんあるのではなく次から次と生まれ出てくるのです。
みなさん、アイデアをいっぱい生み出そうではありませんか。


 アイデアの源泉 

アイデアは「連想」「発想」による「気づき」によってもたらされます。これに導く道具の一つが「アイデア発想法」と言われるもの。そしてそこから生み出されるのが「アイデア」です。これがアイデア開発です。

アイデアの源泉は、99.9%既知のモノゴトです。それ以外は発見・感知からもたらされます。既知のモノゴトから連想し、気づいていろいろなアイデアを組み立てたり、作り出しているのです。

いろいろなモノやコトや考えを集めたり選択したり入れ替えたり、足したり引いたり組み合わせたりしてアイデアができてきます。
ですから、できるだけ多くの多様なモノゴトを見聞きし経験し知っておくといいのです。

何かをデザインしようとして、対抗商品を見もせず調査もしないでデザインを始めるというデザイナーがいます。既にいろいろなデザインを見知っているのでしょうか。それとも既存の対抗商品を見てしまうとそのデザインに左右されるからでしょうか。
いえ、そんなことはありません。デザインそのものの本質、デザインの対象の本来の姿をまず知ろうということです。まずコンセプトを明確にし、本来あるべきデザインを作りあげた後で、他のデザインを見ます。
他のデザインを見るのは、作り上げたデザインが他者のデザインと重複していないか、他者のデザインの権利を侵害していないか、デザインした価値がどの程度なのかを見極めようとするためです。

デザイナーは好奇心旺盛で遊び好きです。よく仕事もしないで遊んでいると言われることがあります。でもそれは違います。遊びながら仕事をしているのです。楽しむこと、愉快になること、面白がることプロヴォカティブ・シンキングなど)、様々なモノゴトを見聞きし経験する、それがモノゴトを知ることそのものなのですから。

デザイナーはデザインが好きです。おだてれば寝ているときも無意識下でデザインのことを考えています。だから常に楽しい面白い新しいモノゴトを入力し、24時間休みなく考えデザインできるのです。

誰でも好奇心をもってモノゴトをたくさん知って、選び集め組合せて、感度よく連想し気づけばいいのです。
そして、アイデア発想ツールなども使って、連想し発想し気づき、考えて試して考えて試して考えて試して、アイデアを生み出し、アイデアの完成度を高めていけばいいのだと思います。


「連想」はあるモノゴトから別のモノゴトや、使いみちを思いつくこと、「発想」はそのモノゴトを発見したり、美しい・気持ちいいなどと感じたり、ひらめいたり、悟ったりすること。「連想」「発想」をまとめて気づきと言います。

さらに言うならば「連想」は関連性の大きいあるいは近いモノゴトの類推、気づき、線状あるいは面状にある某アイデアの隣にあり、ロジカルに意識的に考えることでなされます。
「連想」は意識下で論理的に恣意的に強制的に行うことができます。ですから「連想」は様々なアイデア発想法や知識が有効に働きます。
「連想」「エクスカーション発想法」などで促すことはできますが、様々なことを見聞きし経験することで醸成されていきます。そしてある時いきなり、「💡」「ひらめいた」 となったり、「ヘウレーカ」となったり、「悟り」「インスピレーション」となるのです。いわゆる「アハ体験」です。
何かを考えていたわけでも、何か想像していたわけでもありません。だからこのときは連想ではありません。と言って、まったく新しいモノゴトの創造でもありません。これは「発想」です。ある瞬間、ふいに小型化につながるとか、不要だとか分かったりすることも発想の気づきと考えられます。

「発想」は関連性が少ないあるいは離れているモノゴトの類推、気づき。立体的であって、階層が異なる某アイデアのすぐ隣にはなく、無意識的になされます。
(無意識=就寝中ではありません。起きているときも脳は考えていますが意識にのばらないことの方が多いでしょう)
このことは、スティーブ・ジョブズ氏が「将来を見て点と点を繋ぐことはできない。点と点が将来つながることを信じる。」と言った言葉と通底するものがあると思うのですがどうでしょう?
論理的に「連想」しながら考える場合は意識下ですが、「発想」は無意識下で突然思いもかけず感覚的に自然に現れます。たとえ目覚めている時であっても無意識下の考えと言えるのではないでしょか。寝ているときに夢でアイデアが浮かんだり、瞑想して悟ったりできるのもそのためのだと思います。
「発想」は、脳の思考回路の言語野に至るまでの奥深いところで、回路が結びついて新たな思考回路が出来上がった瞬間とすると、意識下の気づきではなく、無意識下での気づきと言えそうです。

「連想」は意識下、「気づき」は無意識下で主になされますが、逆にいうと「意識下」の気づきが「連想」無意識下の気づきが「発想」ともいえます。
デザイナーが遊んでいて仕事をしている、24時間働いているというのはそういうことなのだと考えています。
まったく新規のものを見てもそれが新しいと分からなければ、あるいは気づかなければ「発見」にはなりません。いろいろなものを知っているから発見できます。しかしあるモノゴトから連想したわけではありませんから、「発想」です。
物質Aと物質Bを混合すれば新規の物質Cができるだろうとの仮説を立て、混合したものから物質Cを発見した場合も「発見」ですが、この場合は「連想」になるように思います。

AIは人の脳を模した仕組みで答えを出します。人は、脳のニューロン(神経細胞)の立体的なネットワークで考えます。脳は気づきに力を発揮しやすい仕組みになっているのではないかと思いますが、意識下の連想や知識がその気づきを邪魔しているところがあるかもしれません。
では無我の境地が求められます。意識の世界から無意識の世界に入るためではないかと思います。

気持ちいい、爽快だ、面白い、心地よい、あるいはネガティブなイメージを感じるのも、言葉で直接的には表現しにくいので「気づき」の一種だと思います。これをアイデアの形にするには「連想」が必要かもしれませんが、この気づきはアイデアの源泉としては非常に有用です。
これはユニバーサルデザインの開発には欠かせないのが「気づき」だと思います。

アイデアの50%は既存のモノやコトや考えを選択したり集めたり組合せたりしたもので、49%は今まで気づいていなかったモノやコトや考えから連想し気付いたものです。
そして1%は、発想、発見に伴うアイデアです。

アイデアのほとんどは誰でもその発想方法を学び訓練することで生み出されるものであることが、このことからもわかります。


アイデアの種類というものを単純に分類し、列挙してみました。〈2024/6/5〉 

 変えるアイデア 

  物理的に変えるアイデア 

  多少・大小

拡大(Magnify)
1mm大きくする(精密部品など)
1.1倍~1.2倍
 110%に大きくする(サイズバリエーションの展開など)
・1.5倍~2倍(子供 → 大人)

 150%(器機の設置場所や商品棚の展開など)
・5倍~10倍(ディスプレイ、看板)
・20倍~100倍(カテゴリー変換)
・200倍~10,000倍(グラフィックパターン)

 200%(子供と大人の比のなど)
・10倍(別商品への展開)
・100倍(素材やバイオミメティックス(生物形態模倣技術)への応用など)

縮小(Minify)
・0.9倍/0.8倍
・2/3~1/2(大人 → 子供)
・1/5~1/50(模型、おもちゃ、無人店舗)

・1/10 → スコップを1/10程のサイズに展開したスプーン”
・1/12(ドールハウス)
・1/12、1/18、1/24、1/43、1/64、1/72(ミニカー)
《2024/6/5 ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/ミニカー_(玩具) 》
・1/7.5、1/5.6(7インチゲージ)

 1/7.8(7-1/4インチゲージ、7.25インチゲージ)、
 1/12・1/8.4(5インチゲージ、5番ゲージ)、
 1/16・1/12(3.5インチゲージ、3番ゲージ)、
 1/22.5(2番ゲージ)、1/20.3(Fゲージ)、
 1/30(35mmゲージ)、1/22.5・1/24・1/29(Gゲージ)、
 1/43・1/45・1/48(Oゲージ)、1/30.5・1/32(1番ゲージ)、 
 1/45(OJゲージ)、1/48(Qゲージ)、
 1/76(OOゲージ、EMゲージ、P4ゲージ)、1/64(Sゲージ)、
 1/101.6・1/120(TTゲージ)、1/80・1/87(HOゲージ)
 1/450(Tゲージ)、1/220(Zゲージ)、1/150・1/160(Nゲージ)、
《2024/6/5 ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/鉄道模型》
・1/100~1/1,000,000(ゲーム、グラフィックス、地図、建築模型)
1/億~1/1兆(宇宙模型)

  強弱

弱く
ソフトに
  → 扇風機の微風
・省エネ、省電力

  遅速

  素材を変える
色・柄

  形を変える
外形
 → 丸 → 四角 → 三角
 縦 → 横


  視点・位置を変えるアイデア 

  視点
上下
底から見る
  → 複写機や自販機の設置展開・販売において設置面積・形(フットプリント)はとても重要

背面
  → 車は常に前からも後ろからも見られている
  → 自分の後ろ姿はなかなか見られない。特にヘアセット後の後ろ姿は三面鏡
やスマホで要チェック

  左右
右から
・右利き用
  → びんのプラスチッキの注ぎ口の取り外しの工夫は、右利き用になされている
  → 傘をたたんでまとめる留は右利き用に作られている
・右回転

左から
・左利き用
  → 左利きの人で右利き用のハサミをずっと使ってきた人には、左利き用のハサミは使いづらいことが多い
・左回転

  表裏

表(おもて)表示
 → スーパーで売っている惣菜の添加物はたいてい、トレーの底に貼り付けたシールに記載されている。亜硝酸Na、安息香酸Na、酢酸Na、ソルビン酸、アステルパーム、号付着色料など危険性の高い添加物が添加されていないことを示すため、原材料名シールを裏返さなくても見えるところに表示すれば、消費者は購入しやすくなる



・ひっくり返してみる
 → 磯で石をひっくり返すといろいろな生きものがでて来る
 → マヨネーズ
フタが下
・アウトステッチ
 ファッションや肌が荒れやすい人用に、縫い目を外にした服がある。ブランド表示や洗濯表示タグなども外に出したいが、他人に見られるのも気になる
 → 見られていいタグにする
 → 簡単に取れるようにする
 → タグ表示をやめ刺繍や印刷で対応する

  内外
外から見る
・エクステリア
 → 車のデザインはエクステリアとインテリアに分かれる。担当を変えると新しいアイデアが生まれることもある
 → 一般的には住宅・ビルなど建築物の壁や庭や外構(塀やガレージなど)を指す。同じ形の建物であってもエクステリアが異なれば、別の建物のように感じる

内から見る
・インテリア
 → 坪庭や中庭は、インテリアとエクステリアの中間領域
 → 深い庇のある場所はインテリアとエクステリアの境界領域とも言われる

 → 昔は当たり前だった土間(床が土の間)が、今では特別な間になっている

  鏡像
鏡に映して見る(左右の入れ替え)
 → フォントを創作するときは、鏡像を見てバランスの良し悪しを確認する


 変えないアイデア  

  何もしない 

  関与しない
・自然のままに
 → アマゾンの熱帯雨林
 → 高山植物
 → 野生生物、ガラパゴス
 → 土に返す
 → 山火事
・Let it be
・ケセラセラ

  見守る 
・子供
 → 大人が不用意に手を出さない
・高齢者
 → 高齢者の身になって考えているか
・悲しんでいる人
 → 何が求められているかよく考える

  維持する/継続する 

  
無いことをメリットにしアピール無いことを有ることに転換
・人がいない
  → 静か
  → 恥ずかしくない(大声が出せる・歌の練習/楽器の練習)
  → 迷惑がかからない(炭焼きをしても文句を言われない)
  → 安全(ドローンの練習場)
・明かりが無い
  → 星を見るのに好都合
・人工のものが無い/便利なものが無い(コンビニが無い/自販機が無い)
  → 緑、自然自然がある
  → 山、川、谷、岸、崖、がある
  → サバイバル訓練ができる
  → 素朴な風景(昭和レトロ感)
・無香料
  → 香害がない(匂いアレルギーの人は多い。匂いが好きな人は匂いが嫌な人のことがなかなか理解できずにいる。例えば、良かれと思い「微香料」にした製品の匂いを、苦痛に感じる人がいることを知らない)
無添加
  → 安全・安心


 考え方・観点のアイデア  

  考え方・観点からのアイデア 

  切り口の変更・置き換え(substitution)
  形而上で変える
精神的、心理的、情緒的、文化的、

考え方、視点・観点を変える

自分 → 相手 → 第三者/主客/表裏/上下/内外/強弱

  観点
大きな
 ・俯瞰的に見る/鳥の目で見る
 ・大局的に見る/全体で見る
  → スーパーの半額販売はトータル売り上げの確保
 ・長期的に見る
  → 京都の老舗(細く長くしたたかに。流行や一時的な変化に惑わされない)
 ・少し離れて見る/岡目八目
  → 絵画を描くときは時々離れて全体の調子やバランスを確認する)
微細な観点で見る
 ・近づいて見る/虫の目で見る
魚の目で見る

有無を考える
 そもそも論で考える/存在・実施の要否を考える

逆に考える
 ネガティブ面をポジティブ/デメリットをメリットに/リスクをチャンスに

別物を考える
 今考えている物事を一旦横に置いて考える/別ルートから進める

根本に立ち返る
 本質に迫る/初心に帰る

  必要性から考えるアイデア  
ニーズから考える
シーズから考える

顧客優先で考える 

利益優先で考える
 短期利益:窃盗・詐欺(リスク大)
 長期利益:京都の老舗
 ステークホルダの利益:アメリカ型 M&A
 社会の利益:曖昧でわかりにくい
 個人の利益:悪徳政治家

改善/改良
 欠点を無くす
 良いところをさらに良くする

  関係性から考えアイデア 
周辺関係を考える
 モノとサービス/実店舗とネットショップ
 商品とサプライ/ビフォーサービス/アフターサービス
 体験/ゲーム/

提供方法
 販売チャンネル・ルート/定期/ネット/サブスク
 有人/無人/自動/ロボット
 レンタル/リース


  機能・性能を考えアイデア 
機能追加型アイデア
競争相手に勝つための機能追加・付加価値アップの名目で、機能をどんどん追加、その結果コストアップになり使い難くなったりするアイデアが多い。
本当に必要なアイデアであるどうか、ユーザーの立場で考えると、いいアイデアか悪いアイデアであるかが見えてくる。

単機能化、単純化、限定アイデア
シンプル化。「引き算」とも呼ばれる。不要なものを無くし必要なものを明確にすることで、わかり易く力強いアイデアになることが多い。

専門化、プロ仕様

性能アップ

性能ダウン

品質
価格


 アイデアスケール  

  規模
・大きな/革新的な/画期的なアイデア
 → 相対性理論
・小さな/ちょっとしたアイデア
 → 亀の子たわし
 → IPS細胞の製作
 → ガラスに木を接着

  時間軸
・古い/過去
 → 特許は過去のアイデアを
・新しい/今/未来
 → 亀の子たわし
 → IPS細胞の製作
 → ガラスに木を接着

  対象
・乳幼児/子供/若者/シニア/高齢者
 → 特許は過去のアイデアを
・男性/女性/ノンセックス
・人/ペット/動物/植物/自然
 → ペットを飼う人だけでなく、ペット自体が対象のアイデアや、ペットとその飼い主を対象とするアイデアも多い

  良し悪し
・善悪
 → 特許は過去のアイデアを
・評価
 → 亀の子たわし
 → IPS細胞の製作
 → ガラスに木を接着
・合理性/効率性
・実用性/有効性
・整合性
・法的にどうか

  強弱
・強いアイデア
 → 特許
・弱いアイデア
 → 実用新案の価値は公開にある