アフォーダンス
プロダクトデザインには、いたるところにアフォーダンスが使われています。
例: 椅子の形 > 座る行為 三角形の椅子 > 部屋の隅に置く椅子
水平な板 > テーブル・棚
シグニファイア
階段

ちょうど上りやすい踏み段が続くと階段だと気づき、上がるよう誘導されるのはアフォーダンスですが、左右の上向きの青い矢印と下向きの黄色い矢印は、階段の上がる側と降りる側を示し、利用者を歩くべき階段のサイドに誘導するシグニファイアです。
また中央の白い線は、上がる側と降りる側を切り分けていることを示すシグニファイアで、利用者は混雑時でなければこの線を越えて向かう方向と逆側の階段への侵入は避けるように誘導されます。
国や文化を異にする場合理解されないシグニファイアもありますが、この矢印と中央線はグローバルに通用するものだと思います。
靴形


お客様が整列して並んだり、店側が思うような位置を取るように床に付ける靴形はよく見かけますが、お店の人が利用する靴形もありました。
本来であれば無い方がいいのでしょうけど、お客様用の靴形同様、お店の方にも必要なのだと知りました。
バックヤードから出入りするときにフロアー(のお客様)に向かって、「ありがとうございました。」と挨拶されます。
機能は同じでも目的・用途は異なるシグニファイアの例です。
小便器のマーク


プロダクトデザインでは、ユーザーの立場でデザインを考えるのがセオリーです。そういう意味でこのデザインは女性にはなかなか難しいのではないかと思います。
小便器は、立ションのオシッコを受ける便器ですが、オシッコが便器に到達する勢いと角度と場所によってオシッコが散々に飛び跳ねてしまいます。
また、男性のオシッコが放出されるホースの先の水切れはすこぶる悪く、急須の注ぎ口のようにはいきません。
最後の一滴を何とかホースの先から解き放とうとして、上下に振る、またはしごき飛ばす方法がとられます。
ですから、小便器の下に設置されている汚垂石はどの小便器のものも常にオシッコで汚れています。
それをなんとか少しでも減らそうと「もう一歩前へ」「今一歩前進」などと注意書きが貼られています。
汚垂石の汚れを少なくする他の方法として、おしっこの跳ね返りが少なくなる角度で便器に到達するよう、小便器の中の跳ね返りが極小となる位置にマークを付けたものがあります。


実際に目にしたのは「的」のマークだけですが、以前雑誌に「ハエ」と「小さな火」が掲載されていました。他に「虫」や「花」マークもあるようです。
最初の写真、これぞシグニファイア! 東京麻布で見つけたのが、スマートでクールでした。影でマークを構成しています。マークに向かってオシッコを注ぐと、マークに吸い込まれるように影が向かっていくのが見えます。
便器には何も取り付けてありません。すばらしいデザインです。
仕組みは、左右の天井にあるダウンライトです。ちょうど便器の縁の影が小便器の極小スポットで重なるように設置してありました。
3並び便器の中央だけがたまたまそうなっていたので、意図的に構成したものではなかったようですが、とにかくGood Design だと感心しました。
これ、小便器メーカーさん是非普及させてください。トイレの美化のために是非。