プロダクトデザイン
プロダクトデザインって何
プロダクト:製品(商品)・サービスのデザイン(企画設計創作など)のこと
「プロダクト」は過去には製品を指しましたが、今はプロダクトの中にサービスや都市開発や道路などインフラなども含まれるようになってきました。イベントのデザインや街の活性化、都市デザインなどにも対象範囲を拡げています。
デザイン:問題を解き明かすために思考し概念を組み立て、設計・計画し、表現して実行していくこと
「デザイン」は過去には色柄形を指していましたが、今はサービスや企画・構想設計、アイデア創出、プロモーション、販売、アフターフォローまで、物だけでなく事、個から全体へとその範囲を拡げています。
その結果、語尾に「デザイン」と付ければ何でもプロダクトデザインに含まれるという、何でもありの状況です。
ただ一般的には、製品デザインと言われ、家電・照明器具、雑貨、文具、調理小物、道具、家具などデザインのことと認識されています。間違いではありませんが、それらのデザインは狭義のプロダクトデザインに当たります。
また、世間では「デザイン」は未だに製品の色柄形のことと認識されているため、クライアントとプロダクトデザイナーとのコミュニケーションについては今まで以上に注意を要します。
これから「プロダクトデザイン(商品デザイン)」を始めようという場合は、まず自らの状況を見てどのように進めるのがいいかよく考えます。
「何を」「どの様に」デザインするかということの前に、「何が目的で目標なのか」「デザインする必要や意思・意欲があるのかどうか」を明確にしておく必要があるように思います。
プロダクトデザインの開発責任者は社長
デザイン開発の責任者は、そのデザインが製品化され販売され事業に貢献するまでの責任を負います。ですからデザイン開発の責任者は大抵の場合その事業の責任者になります。これが明確でなければデザイン開発は失敗に終わることがよくあります。
中小企業の事業の責任者は社長の場合が多いと思います。その場合は社長がデザインを主体的に考えるデザイン開発責任者でなくてはならないと思います。
プロダクトデザインの開発は感覚的な面も無いわけではありませんが、ほぼロジカルに進めることができます。しかし、ロジカルに進めていたとしても、社長(事業責任者)が、「デザインは感覚的なものだ」との認識しかなく、主体的にデザインをみていない場合は、感覚的に「わしは気に入らん」の一言で、私たちが決めに掛ったデザインが一蹴されることはよくあります。
ですからプロダクトデザインは、社長(事業責任者)が主体で進めなければうまくいかない場合が多いのです。
社長がプロダクトデザインの開発責任者になっていて、初めてプロダクトデザインに取り掛れます。そうでない場合は社長の説得を先にすべきだと思います。
デザインに使われる言葉 概観
デザインについて語る上でその用語がとても大切ですが、現場では意味が曖昧だったり交差していたり間違って使われていることが多いようです。
クライアントや、他部門、例えば会社経営陣、企画部門・技術部門のメンバーと話をする場合も、自分独自の解釈で話をしたり、クライアントや他のメンバーの間違った用法の言葉を無理やり理解しようとしたりすると、混乱や誤解を招きます。
そこで、用語の自分独自の解釈を押し付けるでもなく、クライアントらの間違った用語の理解を矯正するするでもなく、有意義に話を進めるには一般的に理解されている意味で用語を用いるのがいいと思います。
その上で理解しがたい用語用法については、「一般的には〇〇のことですね。」と確認しておく方がいいでしょう。
また独自に意味付けている用語がある場合は「弊社では〇〇のことをこのように捉えています。」のようにわかりやすい言葉で説明しておく必要があると思います。
プロダクトデザインに関する、基本的な用語の一般的な意味を一覧図にしました。上部に長期的意味で使われることが多い用語、下部に短期的な用語、3つの枠で 一般ビジネスシーンで、デザインシーンで、企画シーンで使われることが多い用語を配置しました。
完璧なものではありませんが、デザインに関わるビジネスシーンでの参考になるかと思い作成しています。

デザインが関わるビジネスシーンによく使われる言葉
HaFu designで理解している一般的な意味を記載しています。用語の分類は図にレイアウトしやすいように配慮したため多少の無理や間違いもあるかと思いますがご容赦ください。
デザインシーン
デザイン → 詳しく
問題解決の思考、設計・行動・計画
狭義:外観の色柄形
デザイン思考 → 詳しく
デザインシンキング、デザイナーの思考プロセス
プロダクトデザイン → 詳しく(pls wait)
製品・物のデザイン
ビジュアル・ファッション・スペース・サービスデザインの相対
デザインコンセプト → 詳しく(p. wait)
基本となるデザインの考え方、方針・方向性・デザインの狙い
一般ビジネスシーン/企画シーンとも重なり合う
コンセプト → 詳しく(p. wait)
概念・観念・構想・考え、基本的な考え方・狙い
一般ビジネスシーンと重なり合う
目的
狙うもの・意図・目当て、目指す対象・最終到達点
企画シーンと重なり合う
テーマ
具体的な目的・目指す対象、主題・課題とする対象
狙い
意図・目標・目的・ゴール
目標
的・狙い・目印、目的達成のための指標
企画シーン
方針
目指す方向
行動や対処の向かう方向
課題
課せられた 題・問題、対象となるテーマ
計画
物事を成すための方法・手順、企て
戦略
目標達成のための大局的な計画
戦術
目標達成のための具体的な計画・方策
一般ビジネスシーンと重なり合う
ポリシー
政策、規定、方針、信念、こだわり
問題
解決すべき事柄、目標達成の障害
内容が明確に分かっている場合は「課題」でもある
一般ビジネスシーン
夢
希望・漠然とした望み/抽象的
ビジョン
理想像・未来像・高位目標
長期的な目標であるが具体的で実現可能なもの
クレド
信条・志・約束、行動指針
パーパス
存在意義・目的・志、目指す方向
信条
信じ守る事柄、行動規範、個人的、内向き
理念
基盤となる考え方、基本的価値観/外向き
指針
向かうべき方向、行動規範
社訓
会内向けの行動方針や心構えを言葉にしたもの
社是
会社の基本方針・存在意義を言葉にしたもの
社訓とは異なり外向きの面もある
基本〇〇
上位の・長期の
「基本理念」は「理念」がもともと基本的なものであるため、「理念」と変わらない
経営〇〇
会社の・我社の
「経営基本方針」は「基本方針」より上位の方針ととれる
プロダクトデザインの大まかな流れ
デザインは、その事業を司る者(事業責任者:事業決定権のある者)の仕事です。デザインを決定するのも事業責任者です。このことが明確でないとデザインはきれいに流れ出ません。
実際には、何度も後戻りや、繰り返し、路線変更、出直しなど、あるいは、省略、中抜き、飛び越えなどがあって進行します。下記のように順を追ってきれいに流れる場合は少ないでしょう。
二度目、三度目の依頼や、挑戦的プロダクトデザインであったり、期限があり時間的な余裕がない場合、コスト・資金などの経済的条件が厳しい場合、デザインの途中で世の中の大きな動き、流行・事件事故、対抗他社の動きなどがあったりする場合はまた違った取り組みになります。
フローの1項目だけを行う場合や、1から10を何度も繰り返す場合、打ち合わせだけで1年以上かかる場合、逆に依頼から外観デザイン納品まで3日で行う場合などなど、プロダクトデザインの取り組み方は本当に様々です。
教科書的なデザインフロー
プロダクトデザインの書籍に書かれているデザインフローで、主に大手企業内でのデザインフローです。
実際にはデザインの対象や、状況によりさまざまであり、標準的なデザインフローでデザインが進むことはまれなケースと言えそうです。
- デザイン計画
目的を明確にしデザインプロセス全体を計画します - 調査
デザインするために必要な情報を収集・整理し分析します - 目標の設定
「市場をリードするデザイン」など感覚的な目標もありますが、具体的に数値で表すような目標もあります。 - コンセプト設定
「デザイン方針」を作りデザイン企画書としてまとめ、デザインに関わる全員の意識統一を図ります - アイデア開発
目標、コンセプトを実現するための考えを展開し、絞り込みます - 色柄形
色柄形(一般的に認識されている「デザイン」)の展開と絞り込み、決定 - デザイン移管と製品化
デザインしたものが生産できるよう図面化、同時に仕上げや色の指定を行います - デザインフォロー
デザイン面から製品の市場導入の支援を行います。また製品化されたものを評価し、ユーザー評価と併せ、次の製品につなげます
一般的に「デザイン」という場合は、「6.色柄形」のことを指しますが、プロダクトデザインは1~8全体を指します。
ただ時と場合によっては、4~6であったり、2~7であったり、6だけであったりします。
デザイナーとクライアントは「デザイン」が何を指し示し、何を意味するかの共通認識を持つということがとても大切です。
以下は、よくあるデザインの流れの例です。実際には、手戻りや滞り、繰り返しがあったりと複雑で時間と手間がかかることがよくあります。
最も安価に依頼する場合
- (企業 ※1)依頼先(※2)を探す
- (企業)依頼しデザイン料を支払う(※3)
- (デザイナー)色柄形を考え描き依頼企業に提出
※1:中小企業・組織を想定していますが、デザイン部門の無い大企業・組織、あるいはデザインにあまり関係のなかった大企業・組織の一部門も含まれます。
※2:知り合い/商工会/行政サービス/ココナラ/ランサーズ 他ネット検索などで探す
※3: 「こんなんデザインできますか?、いくらぐらいかかりますか?」→ 「できますできます、まあ最初ですし10万円で」(※4/※5)
※4:ココナラでのメールのやり取りの一例。5万円以下のプロダクトデザインは、デザインと言うよりスタイリングやカラーリング、あるいはイラスト作成、3D画作成が多く、いわゆるコスメティックデザインになると思います。またデザイナーでなくイラストレーターやグラフィックデザイナーによるものが多いと思います。
※5:製品の事業責任者がデザイン開発責任者(デザイン決定権者)でありその者の判断で依頼するのが前提です。
企業が始めてデザインを依頼する場合
- (企業 ※1)依頼先(※2)を探す
- (企業)デザイン事務所( or プロダクトデザイナー)に依頼(※3)
- (デザイナー)調査(※6)
- (企業 ✖ デザイナー)打合せ(※7)
- (企業/デザイナー)コンセプト設定/アイデア出し
- (デザイナー)デザインの視覚化/展開
- (企業/デザイナー)評価/絞り込み → 試作案
- (企業/デザイナー)試作 → 評価 → 修正案
- (企業/デザイナー)プロモーション計画
- (企業/デザイナー)外観デザイン決定
- (デザイナー)デザインの生産移管(※8)
(企業)取説など作成、パッケージの検討 - (企業)量産試作 → プロモーション
- (企業)量産試作評価 → 量産 → 倉入・販売(※9)
- (企業/デザイナー)評価/アフターフォロー
※6:対象製品の現状をネットで見る、依頼先の業種・業態・商品・企業理念を確認、デザインの可能性をざっと考える
※7:デザイナー:目的、狙い、求められるレベル、クライアントの状況・能力、協力体制、期限、展開の可能性
企業:デザインのレベル、デザイナーの能力・人柄
※8:外観形状を図面化し生産設計ができるようにする。また色や仕上げなどを指示する。
※9:量産試作品を販売し、適宜修正を加えて追加生産する場合もあります。
自社で新規開発製品のデザインする場合(※10)
-
製品のデザイン方法をネットや本で調べる(※11)
-
何をデザインするか考え決める(※12)
-
新規開発製品の事業責任者がデザイン開発責任者になっていることを確認(※13)
-
コンセプト、ターゲット、販路を考える
-
対象製品の現状調査 → アイデア出し
-
デザインの視覚化(色柄形)/展開
-
評価/絞り込み → 試作案
-
試作 → 評価 → 修正案
-
プロモーション計画
-
外観デザイン決定
-
デザインの生産移管および取説作成、パッケージの検討
-
量産試作 → プロモーション
-
量産試作評価 → 倉入・販売
-
評価/アフターフォロー
※10:組織的に行う場合を想定しています。
※11:本サイトも参考になります。
※12:最初から色柄形を考えたり、パッと出た思い付きで製品作りまで進めたりしない。デザインもロジックが大切。
※13:これがとても大切です。デザイン開発責任者が自ら主体的にデザイン作り出すという意識が大切で、「金だけ出す」ではデザイン開発フローの途中で「気に入らない」「やり直せ」などと罣礙になることが多々あります。
とりあえず自分でデザインしてみる場合(※14)
- 製品のデザイン方法をネットや本で調べる(※11)
- 自分または自社が今デザインする意味・必要性があるのか熟思黙想する
- 何をデザインするか、人の意見も参考に熟考し決める(※15)
- コンセプト、ターゲット、販路を考える
- 対象製品の現状調査 → 複数人でアイデア出し
- 人の手も借りアイデアを視覚化/展開
- 複数の目で評価/絞り込み → 試作案
- 試作 → 評価 → 修正案
- プロモーション計画
- 外観デザイン決定 → 生産指示または生産移管
- 取説、パッケージなどの検討、作成依頼
- 量産試作 → プロモーション
- 量産試作評価 → 販売
- 評価/アフターフォロー
※14:個人あるいは組織の長で、デザイン決定権(事業責任)を持っている者を想定しています。
※15:一人よがりは禁物。三人寄れば文殊の知恵、一人では限界があります。
企業内デザイン部門が3日間でデザイン制作を要求された場合
- 目的確認、コンセプト・アイデア検討(2h)
新規デザインか、マイナーチェンジかで異なりますが、目的・目標を確認した段階でコンセプトは暗黙の了解のもと、アイデア探し、具体的な色柄形に進みます。 - アイデア出し、ポンチ絵、アイデアスケッチ、ラフスケッチ → 絞り込み(1日)
デザイン内部でスケッチを評価し絞り込みます - スケッチ展開、少し書き込んだラフスケッチ → デザイン(外観)決定(1日)
デザイン決定時の指摘事項は、デザイン移管時に修正することで対応 - デザイン移管、デザイン仕様書発行(1日)
設計部門が早急に必要とするところからデザイン図を描き、順次詳細に描き進める
ここまでタイトな場合はあまりないと思いますが、発売日が決まっており生産日程もスケジューリングされているところに、他社新製品の情報が入り、当初考えていたデザインでは勝てない(売れない)ことが明白なときなど、むちゃぶりな要求が出てくることもあります。
そんな場合も企業内デザイン部門であれば、対応を免れないと思います。
プロダクトデザインのフローを調理に例えると
| 1. | 目的・意味 | ⇒ | いつ食べるのか何が食べたいのか、外食 or 中食 or 自炊 |
| 2. | 調査 | ⇒ | おなかのすきぐあい、気になるレシピ、気になるお店、栄養・添加物 |
| 3. | コンセプト | ⇒ | 料理のテーマ・目的、調理方針 |
| 4. | アイデア | ⇒ | 特別な素材/新しい料理・調理方法 |
| 5. | アイデアの視覚化 | ⇒ | 料理のイメージを描き調理スタッフに周知 |
| 6.. | 試作 → 評価 | ⇒ | 試し調理 → 味見 |
| 7. | 外観デザイン決定 → 生産 | ⇒ | 調理/盛り付け |
| 8. | 販売 | ⇒ | 食事提供 |
| 9. | 評価/アフターフォロー | ⇒ | おいしくなかったときは言い訳(改善案)を考える/後片付け |
プロダクトデザインのフロー
プロダクトデザイン フロー少し詳しく(作成中)
(1)デザインの目的/目標
なにを大上段に、大げさなと感じられるかもしれませんが、実は身近なプロダクトのデザインも最初に考えるのがこれ。
何のためにデザインするのか?
0からプロダクトデザインをする場合を考えますと、まずは何をするのか考える。何をデザインするかを考えるのではなく、何をするのかを考えます。
「デザイン」によって何をしようとしているのか、しようとしていることがデザインなのか、デザインでしようとしていることが達成できるのか、デザインすべきか否か、デザインワーク以前に何が目的で、何を目指すのかを考えます。
例えば、
① もっと儲けたい
② 売上げを増やしたい
③ 下請け仕事ばかりだけなので、自社独自商品を開発したい
④ 独自開発商品を試作したが売れそうに無いのでなんとかしたい
⑤ 従来の商品の売上げが伸びないので何とかしたい
などなど、
いずれもすぐにいわゆる一般的にいわれるデザイン(色柄形:外見的なスタイリングと色:コスメティックデザイン)に取り掛かるべきものではなく、問題の本質、目的や狙い、目標・目指すものを先に明らかにせねばならないと思います。
そして、デザインすべきか否かが明確になり、デザインすべきとなったときはじめてプロダクトデザインに取り掛かります。
デザインすべきではない、あるいはデザインより先にすべきことがある場合は、デザインをしないことを提案しなければなりません。これもデザイナーの役割の一つです。
デザインをすることがあらかじめ決まっている場合は、「デザイン計画」から入ることも可能ですが、ほんとの0(ゼロ)からデザインを考える場合はさらに原点のデザインとは何か、から考える必要があると思います。
※「プロダクトデザイン」について記載していますが、「サービスやイベントのデザイン」についてもほぼ同じで、言葉を少し入れ替えるだけでそのまま読み込むことができます。また「インフラやグローバルなシステムなど」についても基本は同じだと思います。
既にある程度決まっている場合
プロダクトデザインの現場では、既にデザインの目的・目標あるいはデザインの方向性まで決まっていることの方が多いように思います。あとは既定の作業に邁進するだけです。
(2)の「知る」段階でも同様です。
デザインシンキング
デザインシンキング概要
「デザインシンキング」あるいは「デザイン思考」とは、そのデザインの受益者を対象としてしっかりデザインしようとする考え方です。
人が使うモノであればそのモノを使う人のことをしっかり考えてデザインしよう、ペットが使うモノであればそのペットとそのペットの飼い主のことをしっかり考えてデザインしよう、機械部品を作る機械ならその機械のことと機械を操作し使う人のことをしっかり考えてデザインしよう、ということです。
当然と言えば当然のことですが、実はそんな基本的なことができていないことも多かったので、警鐘の意味もあってでしょうか、1987年にピーター・ロウにより「デザインの思考過程」という本で紹介され、その後アメリカのデザインコンサルティング会社「IDEO」の創設者であるデイビッド・ケリーらによって体系化され、2005年以降、日本にもその思考法がもたらされました。 《Wikipedia デザイン思考 2025/4/7》
1970年代-1980年代のプロダクトデザインは、ユーザー視点よりメーカー視点が中心で、売れるデザインはなにか、他社に勝つにはどういうデザインがいいか、かっこよいデザインとはどんなものか観点でなされていました。
「デザインシンキング」という言葉が日本のデザイン界に現れてきてかなりの時間が経ちますが、まだまだプロダクトデザイン以外ではあまり知られていないように思います。というか、「デザインシンキング」という言葉自体が絶滅危惧種に入ったのかもしれません。
「オフィスオートメーション」や「マルチメディア」のように、普及したりさらに高度なものに展開されその言葉の必要性が無くなって消えたのではなく、プロダクトデザインやビジネスにとって今も重要で必要な意味を持っている言葉であるまま、プロダクトデザイナーやビジネスマンの意識の中から消えつつあるのでしょうか。
詳しくは結構理屈っぽいので後日紹介したいと思います。取り急ぎここでは要点のみを紹介したいと思います。
デザインシンキング とは
使う・利用する者の視点(立場)で考えデザインすること。
そのために
① 誰の何のためのデザインであるかを明確にする
大局的に俯瞰するように見て、デザインする必要がなければ、デザインしないことも含まれます。
② 知るために、情報を集める
デザインするモノ・コト、ユーザー・利用者、メーカー・提供者、自社・他社、社会・環境、世の中の動き・流行 など必要に応じ、必要なだけ。
③ 考え、アイデアを出す
色柄形を創ってみます。思考シミュレーションします。
④ プロトタイプを作り、試す
試した結果 → ②③④に戻り再度試します/先に進みます。
完成に近づいたら、ユーザー調査で評価します。
⑤ 製品化、トライアル
設計 → 試作・試行 → 確認・評価
この段階でも ③④⑤に戻ることもあります。
⑥ 生産 → 販売、準備 → サービス提供
⑦ 使用・利用 → ユーザー評価/寿命・終了 → 廃棄・処分・ユーザー評価
そして①に戻ります。
この一連の流れで考えることが、デザインシンキングです。プロダクトデザインのデザイン開発プロセスそのものです。
何も新しいものでも、独自のものでもありません。
むしろ、ビジネスの「当たり前」です。
この当たり前ができていないので「デザインシンキング」などと言う言葉が、出現しさまようのです。
近江商人の「三方良し」、松下幸之助の「お客様は神様」、「お客様目線」みんな同じ、「使う・利用する者の視点(立場)」をしっかり心して持つということを言っています。ユニバーサルデザインやインクルーシブデザイン、ヒューマンセンター・ド・デザイン、人間中心設計、など全て同じ思想に立っています。
「デザインシンキング」は、「使う・利用する者の視点(立場)でデザインする」から忘れてはならない重要でことだと思います。